どんどん安くなる絵の相場 でも絵の値段は下げないほうが良いという話
ここ数年、ネットで簡単にモノを売る仕組みが一般化して、絵を売る人がものすごく増えました。
悪いことではないのですが、たくさん売れるように…と安値で絵を売る人が多くなったためか、絵の相場がどんどん下がっている気がします。
どう考えても赤字でしょ?という価格で、絵を売っている人も珍しくないのですよね。
確かに安くすれば、利益は大したことがありませんが価格が高い時よりも売れやすいです。
絵がなかなか売れない人はそういう人達を見て、自分も安くしないと売れないのでは…と、値下げしてしまうかもしれません。
私も絵を売っているのでその気持ちはすごくわかるのですが、過去に少しでも売れた実績があるのなら値下げはしないほうが良いです。
値下げをしないほうが良い理由
なぜ自分の絵を安売りしないほうが良いのか?以下、その理由です。
一度値下げすると、その価格帯でしか売れなくなる
これまである程度高い価格で売っていたものを、セールと称して値下げすると、多少は売れやすくなるかもしれません。
通常よりも安くなったものって、お得感が大きいですよね。
なので売れやすくなるわけです。
そうやって売れてくれると、最初のうちは値下げしてよかったと思うかもしれません。
ただ一旦セール価格で絵を販売してしまうと、以後、普通の価格ではまず売れなくなります。
考えていただくとわかると思うのですが、
絵に限らず大きな買い物をするときって、できるだけセールなどで安くなっている期間を狙いますよね。
買いたいけれど、セールで安くなるまでは待つわけです。
これが生活必需品のように、今すぐ必要なモノならば定価でも仕方がなく買うことがありますが、
絵って生活するうえで絶対に必要なものではありません。
なので他の製品に比べて、買い控えが起こりやすいのです。
販売されている方の性格にもよるのですが、「売れない」というプレッシャーに弱い人ほど価格をすぐに下げる傾向があります。
消費者ってそういうところをよくみており、
この人は値下げする可能性がありそうと感じたら絶対にすぐには買いません。
今すぐ手に入れたいと思うくらい絵に魅力があるのならばともかく、
ほとんどの消費者は安くなるまで待ちます。
結果、以後はセール価格でしか絵が売れなくなります。
最初からそのような作戦で価格を設定しているのならまだ良いですが、そうではない場合、
低価格が定着してしまうのはデメリットが大きいです。
そもそも値下げをしても売れない絵は売れない
自分の絵がなかなか売れないのは、価格が高いからだと思われる方がおられるかもしれません。
安い絵が増えているのを見ると、余計にそう感じてしまいますよね。
ただ経験から言って、売れない絵って価格を下げても売れません。
多くの人に見られているのにもかかわらず売れないのは、絵にそれだけの魅力がないからであり、価格のせいではありません。
自分がモノを買うことを想像してみるとわかりやすいですが、
たとえ2~3000円であっても、魅力を感じないモノにお金を使おうとは思わないですよね。
それは絵でも同じで、いくら安かったとしても魅力を感じない絵を手に入れたいとは思わず、まず買いません。
なので値下げをしたとしても、絵は売れません。
なかなか売れないなら、安い価格で出しても高い価格で出しても同じことですよね。
むしろ万が一売れた時のことを考えると、ムリに値下げせず、高い価格で出しておいたほうがメリットは大きいです。
安くするよりも、まずは営業に力を入れる
絵がなかなか売れないときにすぐに値下げしてしまうのではなく、
まずは絵を多くの人に見てもらえるよう営業に力を入れることをおすすめします。
絵が売れない…と悩んでいるパターンの多くは、露出が少ないことが原因であり、
売る売れない以前の問題です。
ネットでの販売って、商品のページに一定以上のアクセスが集まれば、買う人がポツポツ出てきます。
どのような商品を扱っているのかにより、どの程度のアクセスが必要かは異なりますが、
売れにくい商品でも露出が増えれば売れるようになるのですよね。
クオリティ度外視で法外な値段をつけている場合はともかく、
多少価格を高くしてもアクセスがあれば買う人はでてきますので、まずは露出を高める工夫をしましょう。
安くするかどうかは、一定以上のアクセスを集められるようになってから考えることです。
なお、沢山アクセスが集まっているのに全く売れない場合は、その絵に魅力がないからだといえます。
どんな下手な絵であっても、沢山のアクセスが集まれば買ってくれる人は出てくるものですが、
それでも売れないという場合、商品自体に問題がある可能性が高いです。
絵を安く売るの止めてほしいと思う
ここ数年、どんどん安くなる絵の価格。
安くする側にはそれなりの理由があるのでしょうし、
また何をいくらで提供するかは人の勝手ですから、他人が文句を言えることではありません。
ですが、サービスや商品を安く提供しすぎるとその業界で価格破壊が起こります。
月並みな話ですが、安くしすぎる人が増えると安いのがデフォルトになってしまい、
適正価格では売れなくなってしまうのですよね。
モノやサービスを売るとき、普通は商品自体にかかる原価や制作にかかる時間、手間などを加味して価格を決めます。
もちろん利益も見込む必要がありますが、
最近の激安サービスや商品って完全に赤字だと思われるものも少なくありません。
ひょっとすると認知度を高めるために最初だけ安くしているのかもしれませんが、
それでも安すぎると感じる商品が多いです。
買う側にとってはうれしいことなのですが、
それがその業界のデフォルトになってしまうと、その商品やサービスの販売を仕事として行っている人の生活が立ちゆかなくなります。
極端な低価格がデフォルトになることは、
最終的には誰にとってもいいことはないので、こういう傾向はいやだなと思ってしまいます。
まあ自分が消費者の立場になった場合、正直言って安いほうが良いというのが本音なので、あまり強くはいえないのですけどね。
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