夫婦の貯金を全額「妻名義」にしている友人 それって大丈夫?
知人たちとの集まりで、貯蓄の話題になった時のこと。
ある知人、夫の収入によるお金を「生活費」という名目で妻名義の口座に全額移しているのだそうで、ちょっと驚きました。
私は長くフリーランスとして働いているためか、お金の扱いに対して結構シビアに考えているところがあり、
知人のやり方はえーって感じなのですが、ひょっとすると知人のほうが一般的な感覚なのかもしれません。
その知人がいうには、移したお金はそのまま生活費に使っているそうですが、
あまったお金も口座に置いたままで、そのまま夫婦の貯金として貯めているのだとか。
ちなみに、なぜ妻名義の口座にわざわざ移すのか?
その理由ですが、一つには自分の口座から食材宅配の引き落としがあることと、
またお金の管理は全て妻がしているので、妻の口座に入れておいた方が何かと便利なのだそうです。
加えて家具や家電など大きめの出費のときに、自分の口座内にお金があれば夫に気兼ねせず、
自分の裁量でお金を使えるからとも。
生活費として使っているのなら問題はありませんが、
人のお金を自分の口座で管理するのって場合によっては贈与にあたることもあり、
細かいことを考えるといろいろ面倒です。
でも同じようなことをしている人、多くはなくともそれなりにおられるのではないかと思います。
家族だから夫婦のお金かもしれないが…
家族だから、夫や妻が稼いだお金は夫婦2人のもの。
だから妻の口座で管理しても問題ない。
知人はそう言っていました。
感覚的にはそうなのかもしれませんが、税法上ではそうはなりません。
夫が働いて稼いだお金は夫のモノですし、逆も然り。
といっても普通に日常生活を送っているうえで、夫のお金を生活費として妻の口座にいれっぱなしにしていたとして、
問題になることはあまりないと思います。
問題となりやすいのは、膨らんだ貯金で大きな買い物をするとき。
例えば夫名義で家を買うときなどに、妻の口座に貯めたお金から資金負担を行う場合、
今回の知人の感覚では夫婦の貯金から出すのかもしれませんが、まわりからみれば「妻名義の預金」から出たお金です。
家の名義自体は夫なのに、お金は妻名義の預金から出していることになり、
税務署から贈与を疑われて税務調査を受ける可能性があります。
きちんと説明すれば問題ないはずですが、税務署から「お尋ね」がきたらびっくりしますよね。
あと、知人自身も扶養内で働いているために収入があり、
妻の収入と夫の収入が「妻の口座でごちゃ混ぜ」になっているところもややこしいと思います。
私自身、税金にそこまで詳しいわけではないため突っ込んだ細かいことはかけませんが、
ごちゃ混ぜになった夫婦の貯金から、夫名義の家に対して資金を負担する場合。
妻自身の貯金の金額によっては、夫への贈与とみなされる場合もあるのではないでしょうか。
いろいろとややこしいので、各家庭の事情はあるにせよ、お金は稼いだ人名義の口座で管理するのが一番だと思います。
生活費として夫のお金を「妻の口座」で管理したい場合
知人のように、生活費として夫のお金を妻の口座で管理したい場合。
夫のお金であっても、生活費として妻の口座に入れるのであれば問題はありませんので、
別に構わないと思います。
一方で、生活費を大きく超える額を妻の口座に移す場合。
この場合、生活費として使いきれなかったお金が、
少しずつ妻の口座に貯まっていきますよね。
額が小さければ問題になりにくいですが、高額になってくると、
前項で述べたように大きな買い物をするときに問題が出やすいです。
あと生活費の余りが年間110万円を超えてくると、税務署から贈与が目的だと疑われ、
対応の仕方によっては贈与税の対象となる場合もでてきます。
夫のお金を「生活費」として妻の口座で管理したいのなら、必要分のお金だけを移すようにすべきだと思います。
夫婦共通の貯金を貯めたい場合はどうすれば?
夫や妻が普段使う口座とは別に、夫婦の貯金を貯めるための口座が欲しいというご家庭もあるかもしれません。
といっても、夫婦共有名義の口座は作れません。
となると妻名義か、あるいは夫名義の口座に夫婦のお金を貯金していくことになり、
あとあと面倒なことになる恐れもあります。
面倒なことになりたくないという方は、
夫名義、妻名義の貯蓄用口座をそれぞれ作り、各自で貯蓄用のお金を管理した方が安心です。
今回の知人の場合だと、夫の収入をすべて妻の口座に移すのではなく、
妻の口座に移すのは生活費のみで、残りは夫名義の貯金口座へ移動させるといった具合です。
知人的にはイヤかもしれませんが、安心して貯めていけますし、
その方が絶対に管理しやすいと思います。
ちなみに知人には、「全額妻名義だと贈与ととられる場合もあるかも…」と一応言いましたが、
多くの人がやってることだから大丈夫なのでは?だそうです。
ついでにもうひとこと、私はそういうことに「神経質すぎる」のだとか。
私が…神経質すぎるのか?
わからなくなりました。
まあでも、知人が大丈夫だと言うんなら、知人宅は大丈夫なのだと思います。
私はやはり気になるので、
これまで通り夫婦各自でお金を管理していきます。
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